2人の皇帝が愛した「淮揚料理」@神保町「後厨東京」

当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
大煮干丝の画像

2024年12月、淮揚料理の「後厨東京」が神保町にオープンしたので行ってきました。

江蘇省の揚州や淮安で生まれた淮揚料理は、肥沃な江南地方の農作物や長江下流域の川魚といった食材が豊富で、

また商業が盛んな江南の風土と結びつきながら発達。素材の味を活かした淡泊な料理が多い。

江蘇省出身の張学軍シェフは歴32年の国家高級厨師の資格をもつ淮揚料理マイスターで

本格派の淮揚料理が楽しめる。

後厨東京の外観

今日は中国の2人の皇帝の淮揚料理にまつわるエピソードを織り交ぜて紹介したい。

目次

隋・煬帝と「獅子頭」

獅子頭①

淮揚料理の代表格「獅子頭」。おおきな肉団子が入った伝統的料理です。

この店のメニュー表には「うま煮肉団子」と日本語表記されていました。

獅子頭②

肉団子は角切りの赤身肉と脂身を混ぜてあります。

ミートボールのような塊状ではなく、ホワホワと柔らかいテクスチャーで口に入れると

脂身が溶けて口の中に広がっていきます。肉の量も多く満足感があります。

獅子頭③

スープは調味料の尖りがなく、出汁感が前面に出た白湯系の味わい。

あっさりと優しい味付けで胃に染みますね。

…ちなみに伝承ではこの料理の誕生には、隋の煬帝(569~618)が一枚かんでいると言われています。

煬帝は都の長安(大興城)から江南地方に繋がる長大な運河を開削し、しばしば巨船で同地へ行幸したと史書に記録されている。

江南地方をいたく気に入った彼は、その風光明媚な江南の風景を見立てて料理を作るように命じ、

かくして誕生したのが「獅子頭」と言われています。

清・乾隆帝と「大煮干丝」

大煮干丝①

こちらも古典的な淮揚料理「大煮干丝」

メニューの日本語表記は「干し豆腐千切り煮込み」

大煮干丝②

一見するとラーメンのようですが、麺ではなく豆腐干が入ってます。

シコシコした弾力感がありますね。

大煮干丝③

鶏出汁ベースのスープに

具の海老やハムの風味が交じり合った滋味深く繊細な味付け。

油脂感もなくヘルシー。サラッと胃袋に収まっていきます。

伝承では清の最盛期を実現した乾隆帝が江南地方を巡察した際、

地元の役人達が皇帝を満足させようと奮起。じっくりと鶏を煮込んだうま味たっぷりの「大煮干丝」が誕生した。

ひとくち食べた乾隆帝は大いに気に入り、江南を訪れるたびにこの料理を所望したのだとか。

乾隆帝といえば北京の観光地として有名な庭園・頤和園を造成した事でも有名ですが、

江南地方の風景に憧憬の念を感じていた彼はなんと庭園の中に江南の庭園技術を取り入れた蘇州街まで作っています。

実際に彼が江南地方好きだった事を考えると

「乾隆帝が大煮干丝を生んだ」という伝承に信ぴょう性を感じさせてくれますね。

あとがき

以上、「後厨東京」で本場の淮揚料理を堪能。

二品ともあっさりとした味付けかつヘルシーで罪悪感なく楽しむ事ができました。

シェフは「綺麗好きの仕事熱心」といった印象で手が空けば店をこまめに掃除してて

店内も綺麗で居心地もよかったですね。

ぜひお試しを

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次