2025年6月、第22回ナポリピッツァ職人世界選手権カプート杯のS.T.G部門(EUが認定する伝統的な特産品保証制度に基づいたナポリピッツァ)で、日本橋『ピッツェリア イル・タンブレッロ』店主の大坪 善久さんのマリナーラが優勝という最高の快挙を成し遂げる。
福島県出身の大坪さんは20代で本場イタリアに渡り『ラ・スパゲッタータ』や『ピッツェ・エ・ピッツェ』などで武者修業の後、帰国して『サルヴァトーレ・クオモXEX』『ダ・オルト』を経て2010年に独立して『ピッツェリア イル・タンブレッロ』を開店。
同店は2014~2017年にミシュランガイド東京にて3年連続でビブグルマン店として掲載される他、食べログで6度のピザ百名店に選出。さらに大坪さんは人気店の店主という立場に留まらず、日本ナポリピッツァ職人協会副会長として業界全体の発展にも尽力しています。
なお大坪さんはTBS系列の人気番組『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』に審査員として出演されている有名人なのでご存じの方も多いかもしれません。

著者が伺ったのは平日の開店時刻から15分経過した11時45分ころ。「世界一のマリナーラ」効果で混んでるかなと心配しましたが、意外と特に並ぶこともなくあっさりと入店できました。
『ピッツェリア イル・タンブレッロ』で注文したもの
・タンブレッロ選べる平日ランチ(前菜・ピッツァ・デザート) ¥1800
〔前菜〕自家製ナポリ風コロッケ

前菜はミネストローネかナポリ風コロッケから選ぶ方式。
ナポリの屋台でよく売られているナポリ風コロッケ(Crocchette di patate)。写真のように紙に包んで手渡しされたコロッケを買い食いするのがナポリっ子の定番だったりします。
厨房の手前側にピザ窯、奥の方にフライヤーがあるのですが、大坪さんの動きを見るとスムーズに窯とフライヤーを往復して沢山の料理を捌いてました。

ラードで揚げる日本のコロッケと異なり、植物油?なのか油の重さをあまり感じない比較的サラリとした軽い味わい。衣は日本の剣立ったザクザクしたコロッケに比較すると、食感の起伏が少なく大人しめな印象です。

中にはモッツァレラチーズが仕込まれており、マッシュしたジャガイモのホクホク感と糸を引くチーズのマッタリ感が同時に楽しめて美味。
個人的にはチーズとマッシュポテトを重ねて焼いたフランスのグラタン料理「アッシ・パルマンティエ」に少し似てるなぁと感じました。
マリナーラ


さぁ登場!これぞ正真正銘「世界一のマリナーラ」。
混じり気のないガーネットのようなトマトソースの濃い赤色が美しいですね。

美しく隆起するコルニチョーネ(耳)ガブッと噛むと生地は水分が綺麗に飛んでおり表面はザラリとしたドライな舌ざわり、塩味(えんみ)はあくまでマイルドで優しい感じ。コルニチョーネはゴワゴワとした生地の力強さを感じた。
対して中心部はグルテン化した小麦のもっちりとした粘りを感じ、一歩遅れて火が通った芳醇な小麦の香が鼻孔をくすぐる。生地の時点で既に著者はこのピッツァのファンになった。

何より驚いたのはトマトソースのジューシーさ。火入れしてもトマトの瑞々しさや潤いが失われておらず、滴るようなフレッシュな果汁感が口一杯に広がる。酸味と甘味、どちらか一方に偏らないバランスのよいトマト味に感じます。
ここにツンとしたオレガノの清涼感、ピリリとしたニンニクの辛味成分。ごまかしの効かないもっともシンプルなマリナーラだからこそ、『タンブレッロ』の大坪さんの焼くピッツァの具材のバランスの妙が引き立って感じますね。
ドルチェ

〆は「パンナコッタ」。しつこさのない後味のすっきりとした甘さ。
ミルク特有のふわりと柔らかく滑らかな舌ざわりにウットリしてしまいます。
あとがき
以上、『ピッツェリア イル・タンブレッロ』で「世界一のマリナーラ」を味わってきました!
ビビッドな真っ赤なビジュアルと絶妙な具材のバランス感両方を味わえる唯一無二のマリナーラ。
冷静に考えると平日ランチで1800円で「世界一」が味わえるってすごい事だと思いますよ(笑)
ぜひお試しを!
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お店の基本情報
📌 基本情報
店名
PIZZERIA IL TAMBURELLO(ピッツェリア イル・タンブレッロ)
住所
東京都中央区日本橋堀留町1‑2‑9 DIG DUG 1F
- 東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」徒歩3分
- 都営浅草線「人形町駅」徒歩5分
電話番号
03‑6661‑6628
席数
約20席(カウンター+テーブル)
⏰ 営業時間と定休日
お店の行き方

東京メトロ小伝馬町駅の3番出口より下車。

人形町通りを東南方面へ。

右折して織物中央通りを西へ。

『ピッツェリア イル・タンブレッロ』に到着。所要時間は徒歩約3分ほど。人形町駅や三越前駅も徒歩圏内です。