近年、都内で急増する「ガチ中華」。
そのブームの先駆けでありメッカといえば池袋だろう。
国土面積9,597,000 km²(日本の国土の25倍)と広大な中国の各地方の料理がこの池袋にズラリと軒を連ね、
中には中国の西北部、新疆ウイグル自治区の「新疆料理」の店も幾つかかみられる。

この池袋東口の「火焔山 新疆・味道」もその一つです。
入口の「中国西北本場料理」の看板からも本格派の風格があります。
ちなみに“火焔山”とは古くはシルクロードの交易都市として栄えたトルファン(吐魯番)近郊にそびえる山。
その名は炎がうねるような赤い山肌の「炎のような山」である事に由来しています。

「西遊記」の作中で、孫悟空が燃えさかる山を芭蕉扇の風で火消しする有名なエピソードがありますが、
実はそのモデルとなったのが火焔山です。
…ちなみに大学の研究旅行で新疆に行った著者も火焔山に足を運んだことがあります(笑)
新疆涼皮

陝西省発祥で華北地方で広く食される麺料理「涼皮(リャンピー)」。
ネーミング的に新疆風の味付けだろうか。

ツルツルのモチモチ、豊かな歯ごたえ伴う弾力感がたまらない!
タレは辣油の辛味主体でほんのり八角の香り。

シコシコした湯葉の塊や胡瓜、パクチーの薬膳味と複雑性に富んだ味と食感が楽しめた。
丁丁炒面

新疆料理の定番料理「丁丁炒面(ディンディンチャオミェン)」。
カザフスタンやキルギス、タジキスタンと国境を接し、
漢民族のみならずウイグル族や回族人口も多い新疆ウイグル自治区らしい異国情緒あふれる一品。
日本で広く知られる北京料理や広東料理といった中華とは全く雰囲気が異なり面白い。

こう見えても麺料理。
注文すると中国人料理人がダイナミックに生地を引き延ばして手打ち。
細かく刻んで盛り付けてくれる。
モロッコなど地中海沿岸諸国や、イタリアのサルデーニャ島にも
「クスクス」や「フレーグラ」といった米粒のようなショートパスタがありますが、
「丁丁炒面」はそれらよりは粒が大きく力強いモッチリとした食感ですこぶる良いですね。

赤色が多めで一見すると激辛ですが、トマトの酸味をベースにしつつ適量の赤唐辛子が入っており適度な辛さです。
牛肉のうま味成分とのフュージョンもgood
注文システムその他

注文システムは近年一般的になったモバイルオーダー式。
部分的に日本語なのと画像を見て注文できるので中国語が読めなくてもある程度大丈夫かと。

メニューに新疆ウイグル自治区最大の都市・ウルムチ(乌鲁木齐)産のビールもありましたが800円と割高で断念。
おとなしくアサヒのスーパードライを注文。輸入物に手が出しにくい昨今の極端な円安ってイヤですね(笑)
あとがき
以上、「中国西北本場料理」でした!
「丁丁炒面」や「ラグメン」など新疆らしいシルクロードを感じられる本場の料理が食べられます。
新疆料理好きの私も大満足な美味しさ。
注意点としては店表の看板に「新疆米粉専門店」と記載されている通り、
麺料理や炒飯など米料理が主体で、羊串焼き「シシカバブ」など量を抑えた一品料理メニューは少なめ。
量も多めなのでソロ訪問なら主菜を一品、
複数人なら複数注文してシェアし合うのが良さそうです。
ぜひお試しを