ピザというと「ナポリピッツァ」や「アメリカンピザ」を連想しがち。だが実際はもっと広く奥深いピザの世界。
フラットブレッド(平たいパン)に現地の食材を乗せた、非常にシンプルな料理「ピザ」。
この無限大に応用できるシンプルさゆえに世界にはピザに似た料理が多数存在するんです。
船型の細長いパンに具を乗せたトルコのピザ「ピデ」もその一つ。
ピデの起源ははっきりしませんがオスマン帝国の時代から既に存在していたとされる。
イタリアのピッツァ、ギリシャや北アフリカのピタ等と同じく、地中海沿岸地域に共通するフラットブレッド文化から派生した料理の一つと考えられている。

今回紹介する都内で30年近く営業する老舗トルコ料理店「ボスボラスハサン 新宿店」でもピデが食べられる。

“ボスポラス”とはヨーロッパとアジアを隔てるトルコのボスポラス海峡の事。
店内のメニュー表には海峡にかかる巨大な橋「ボスポラス大橋」のイラストが。
この橋は日本のODA(政府開発援助)で建設され、瀬戸大橋の架橋技術が使われている。
世界有数の親日国として知られるトルコとの文字通り“友情の架け橋”ですね。
「ボスボラスハサン 新宿店」で注文したもの
・エフェスビール ¥700
・チェルケズダヴ ¥850
・ペニルルピデ ¥1650
・カザンディビ ¥600 ⇒食べログのクーポンで無料


チェルケズダヴ

本場のトルコ料理。チキンペーストのサラダ。

味はほんのり塩気を感じさせる程度で鶏肉の素材自体の味が際立つ。
オリーブオイルがかかっておりコクが補完されている。実にシンプルで素朴な料理だが、なぜかほっこりと味わい深く美味。
ペニルルピザ

チーズのトルコピザ。細長い船型の生地を真ん中でカットして提供される。

発酵させて生地に空気を含ませて「ふっくら」させるナポリピッツァと異なり、気泡の数が少なく「ぺったり」した生地質。表面はメイラード反応しており煎餅のような香ばしさがある。

チーズも多くのイタリアンピッツァのように熱を調整して半レアの「溶け感」「トロトロ感」を出すのではなく、しっかりウェルダンに焼かれている。
こんがりしたチーズの香ばしさと表面の胡麻のサクサク感のコンボがたまらない。
いつものナポリピッツァとは様相が異なるがこれはこれで美味。
結局、「平たいパンにチーズを乗せて焼く」ピザ的な料理は世界中の人々に愛されているし、誰が焼いても美味しいのだ。
カザンディビ

オスマン帝国時代の宮廷料理として生まれたとされるデザート「カザンディビ」。
上部はキャラメリゼされておりパリパリ。ミルクベースの生地はもっちりしてて意外に日本人好みな食感。
さっぱり素朴な甘さも美味しかったですね。
あとがき
以上、「ボスポラスハサン新宿店」でした!
ナポリピッツァとは異なる魅力をたっぷり感じられました。
料理と関係ないのですが、なぜか石破茂首相がこの店を訪れた時の写真が店頭に飾られており、どういう背景なのか気になりました。
実はコチラのお店には「ピデ」のほか、「ラフマージュン」と呼ばれるトルコや中東で食されるピザもあり次回試してみたいですね。